「でも、もう大丈夫。俺が万里の傍にいるし」
「……」
そう、いうこと、なんだろうか?
「ダメだよ、ハル。君は魂のみの存在だからね。簡単に感化されてしまう」
「ない! 今の俺なら――」
猫の姿からスルリと人間の形に。
……なんだか、まだ夢を見てるみたいだ。
「ずっとそのままで居れるはずがないだろう?」
ハルの隣。白夜さんも人の姿になって煩わしそうに自分の真っ白な髪をかきあげた。
「そもそも、彼らの策略にはまって君は今の姿になたわけだしね」
「えっ?」
永久さんの声に驚いてハルを見ると、悔しそうに唇を尖らせるハル。
「策略って……、だって、あの夜の事はハルとか私とか全然関係ないのに――」

