「ハルが、白夜のところに現れたんだ。君を助けて欲しいと」

「……う、そ」


確かにあの日を境にハルは帰ってこなくなった。

だからってそんなのはいつもの事だし、

死んだ、なんて――。


「本当じゃ。しつこくわしの安眠を邪魔して困る」


そう言ってふわりとあたしの前に姿を現したのは猫の姿をした白夜さん。

その横には、


「みゃあ」

「ハ、ル?」


ぼんやりと猫の形をした光る何かがあった。

それはあたしに擦り寄ってきて、


暖かい。


「ハル」

「みゃあ!」


名前を呼ぶとぼんやりとしていた煙のようなものが晴れてはっきりとハルの姿が見えて。


「ハル!」


しゃがみこんでギュッと抱きしめると、ハルはあたしの頬をペロリと舐めてくれた。