「俺にどうして欲しい?」 「えっ?」 突然の提案に思わず声を上げてしまった。一緒に、私の手にある紅茶もちゃぷんと揺れる。 「君の望むようにしてあげる。どうして欲しい?」 「どう、って……」 眠れればそれでいい。あの夢を見ずに――。 「それでは解決せんだろう」 「わっ!」 突然、しゃがれた声で猫が喋るっていう現実にはどうしても付いていけない。 声を上げる私に、『白夜』と呼ばれた真っ白な猫は「やれやれ」とでもいいたそうに肩をすくめて、それから。 「……えっ? えぇ――!?」