「なんだ、男の方はもう終わったのか」 そう言ってどこからともなく、ふわりと橋の欄干に降りてきたのは猫の白夜。 「うん。記憶もばっちりあったしこっちは簡単」 「わしは疲れた」 「わっ!」 驚いたのは万里で、いきなり白夜が万里に飛びついたから。条件反射で抱きとめたけど……。 「疲れた。ちと、力をよこせ」 「へっ? ちょちょっと!」 首を伸ばして万里の顔の舌を伸ばす白夜から逃げるように万里は顔を背けて。