アンジュエールの道標


『そうか、ではこの世はあちらとつながってしまうのだな』


あちら。

それが何処なのか。

わしは生まれた時からこちらのものだった故知らん。

だが、懐かしくもおぞましい場所なのだと肌で感じた。


「まだだよ、カグヤ」

『永久』

「まだ早い。その日はまだ来ないはずなんだ」

『……そなたがそう言うのであれば』

「うん、だから」


ここを頼むね。

そんな永久の声を聞きながら、わしは死んだ。