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あぁ、またこの夢だ。

真っ暗で何も見えない。

足元は泥のようなものに捕らわれて動かない。

ううん、違う。

足元を見れば、じっとりと湿った真っ黒いものが私の足首をしっかりとつかんでた。


『まり……』


低く、かすれた声が私の名を呼ぶ。


『まり――……、どうして』


来ないで。

私にはどうすることも出来ないの。


『ここから……』


無理、だよ。

だから、お願いだから、


『お前は――』


来ないで――!!




「大丈夫、これは夢ですよ」


えっ?