昔、まだ男女が一緒に歩く事が許されない時代1人の若い少年が恋をした。
相手は田舎から遊廓に売られて来た少女だった。

まだ遊女になる前は見習いで下働きや遊女達の使いをさせられていた。

少年はそこの遊廓にお酒を売っていた店の息子だった。

つまり身分違いの恋だった。


初めはただお互いの姿を見てるだけで秘めた想いを満たしていた。


話をしたのは偶然だった。


梅雨の長雨の中遊女の手紙の使いの途中に手紙を道に落としてしまったらしく、泣いていたのだ。


少年は声をかけ手紙を見せて貰った。
文字は多少滲んでいたが読めない程では無く少女は安心したみたいだった。