檸檬の変革

ビリヤード場に着き私は１人でビルに入った。そこのビルにはエレベーターがあり、私は六階のボタンを押した。

チン。
音と共にエレベーターの扉が開いた。
ビリヤード場の扉を開けた。
ここのビリヤード場はさっきのビリヤード場と違いかなり広い。
私はまだ数回しか来ていないので、店の店員に馴染みは居ない。

ウロウロ歩いていると、突然後ろから抱きつかれて耳元で囁かれた。
『俺はここに居るけど？』
夏樹だ。

夏樹の腕を振り払い振り向いた。
千穂子の言う通りかなりの美少年だ。
そして、それを自分でも十分知り尽くしている。私はそこが気に入らないので、いくら夏樹が誘っても知らんぷりしていた。

『捜してるのはアンタじゃ無い。』

冷たく言い放した。
夏樹は落ち込んだ素振りをしたが、今は取り合ってられない。
『千穂子来なかった？』

夏樹はニコリと無垢な笑顔を見せた。
何人がこの笑顔に騙されただろう。
『教えたら何してくれるの？』


私は夏樹の白い手首を掴みビリヤード場から連れ出した。