檸檬の変革

あちき君や徹達も心当たりを探し回っているみたいだった。

最初のいきつけのビリヤード場に着いた。
私は素早く助手席から降りて文也に言った。
『待ってて。すぐ戻るから。』

文也は頷いた。

ビルの階段を駆け足で上がりお店の扉を開けた。
そしてマスターを見つけて千穂子の事を聞いた。
マスターはキョトンとして答えた。
『今日はまだ来てないよ。』
私は礼を言うと扉を閉めて文也の車に戻った。

車に乗り込みここに居ないことを告げて次のビリヤード場の場所を告げた。


次のビリヤード場は最近千穂子のお気に入りのイケメンの年下の男の子が居る。
千穂子がちょっかいを出していたが、その子は私に気があるらしく、それがより一層千穂子を燃えさせていたらしい。


文也が夜のネオン街を走りながら私に言った。
『文弥が帰った後、俺達結構喧嘩ばかりしてたんだよ。文弥に心配させたくなかったから言わなかったけどね。実は、アイツあちき君と寝てた………。』



私は驚きすぎて目を見開き文也を見た。
『嘘でしょ？だってあちき君、彼女居るし、千穂子だって、それにまさか………いくら何でも有り得ないよ……。』

文也は黙ってハンドルを握り締めていた。