檸檬の変革

私は、静かに頷いた。
私も文也を愛おしいと思っていた。

好きとか愛とかそんなんじゃなくて、つまり恋愛よりも
ただひたすら愛おしい。

どちらからともなく
私達は抱きしめていた。

文也の首筋からタクティクスの香りがする。
やっぱりドキドキよりも穏やかな安心できる体温。
文也はほんの少し力を込めて私をより引き寄せて髪に顔を埋めていた。


そして、唇を重ねた。
穏やかで限り無く優しいkiss。


でも、それだけで私達は十分通じていた。
REBECCAは《フレンズ》を歌っていた。

この曲の間中、唇はお互い離れる事は無かった。


その頃、千穂子が私達の前から居なくなった。