檸檬の変革

翌日は学校はお休み。
私は朝から電車に乗っていた。

文也の家に行く為に。

事故以来、文也はバイクを修理に出して、暫くは家で大人しくしているみたいで、みんな文也の家に集合していた。

文也の家は周りの家より広く立派だ。
文也は車も持っていたが、傷が治るまで運転は控えているみたいだった。

文也の部屋はフローリングの床にベッドとテーブル、コンポが置いてあるだけの物凄くシンプルな部屋だ。
でも日が射して暖かい文也の様な部屋。

文也はベッドで寝ていた。
私はベッドに寄りかかって床に座ってバイク雑誌を読んでいた。

自然体な２人。時間が過ぎて行くのさえ気にならない。
ドキドキよりも安らぎの時間が流れていた。

やがて眠りから覚めた文也が起き上がり
私の髪をクシでとかし始めた。
私の髪は文也の使うクシに抵抗無くサラサラと流れていた。

私は眠気に誘われていた。
文也に髪をとかされると必ず眠くなる。
文也もそれを知っている。


私はあくびをして文也のベッドに入って眠りに堕ちた。
文也は肩肘をついて隣に寝ころんで私の髪を撫でていた。

文也はずっと私の髪を撫でていた。