檸檬の変革

どうやって学校に行って、その日の授業が何だったかなんて、私には全く知らない。只居て学校が終わるのをひたすら待っていた。

帰りのホームルームが終わると私は急いであちき君の家に向かった。


ただいまの挨拶もソコソコにリビングに入ると、千穂子が居ないが後のメンバーは居た。

文也の傷はまだ生々しい。
けれど、何時もの文也だった。

『千穂子は?』
私はカバンを部屋の隅に押しやりながら言った。
あちき君がコーヒーを飲みながら言った。
『俊哉に車で送った。文也も一緒に行って親に謝りに行ったよ。』

『2人とも病院は行ったの?』

文也が静かに言った。
『俺は良いけど、千穂子は女の子だからね。
でもアイツ俺も行かないと病院に行かないって駄々こねたから診察はしたよ。千穂子は全治二週間。俺はひと月かな頭も骨折もしてなかったし、打撲と擦り傷だけだったよ…。』


私はゴツンとコタツのテーブルに突っ伏した。


心底ホッとした。涙が出そうだったので急いで立ち上がり言った。
『バイクみてくる!』

『バイクかよ!』文也、あちき君、徹が一斉に言って爆笑していた。