檸檬の変革

家の近くでバイクは止まった。
止まると、バイクのエンジンの熱気が足に伝わる。
私はゆっくりバイクから降りてメットを文也に渡した。
文也をジッと見つめた。
文也は私を見つめ返して優しく行った。
『またね。』

私はバイクが見えなくなるまでその場に立っていた。

そして、退屈で憂鬱な私の家に急に重くなった足を引きずり向かった。

確かに自分の家なのに、居場所が無い家。

空気が一気に重くなる。