私と目が合い。文也はニコリと笑った。つられて私も笑う。
すると千穂子が後ろから文也を押しながらリビングに入って来た。
２人はコタツに入らず、ソファーに腰掛けた。

あちきくんが文也に話しかける。
『夜皆で海にいかねぇ？』
『何で？』
文也が聞き返す。あちきくんはニヤリと笑い答えた。
『昼間バイクイジったから、調子見たいんだよねー。』

『分かった。』そう言うと頭を千穂子の膝に乗せる様にしてコロンとソファーで寝転んだ。

私はそれを何も感じない。
私は千穂子も好きだから、そして千穂子を好きな文也を好きだから。

私とあちきくんがテレビに向き直し、アーダコーダ馬鹿な話をしていると、又バイクの音が聞こえた。
あの音は徹のバイクだ。

あちきくんも気がついて私を見てニヤニヤした。
私もニヤニヤ笑う。

暫くして玄関が開いて『チワー！』と
誰に言うわけも無く挨拶をしながら入ってきた。