『…紅葉…………』
拳を握り締める紅葉の頬に流れる涙にむかって手を出すが、襖が突然開く。
「桜羅……っ‼」
総司だった。
愛しい人の姿に桜羅の目は見開かれながら雫が落ちる。
「…………お前か」
紅葉は涙をサッと拭いて総司を見据える。
「…………こいつを連れて行ってくれ」
紅葉は決意の篭った目で総司を見上げた。
『紅葉…………』
「…………正気か?」
総司は目を細めながら紅葉を見る。
「………お前に賭けてみる。
桜羅の幸せはお前が与えるだろうから」
紅葉は笑いながら言った。
ソレに何かを察した総司は、桜羅の腕を掴み、立たせた。
「…………行こう、桜羅」
『紅葉…』
桜羅が名前を呼ぶと、紅葉は笑った。
「……サヨナラ」
そう呟いた言葉を最後に部屋を出た。

