『あ………ぁ…あ………』
「…久しぶりだよね?
桜羅。元気にしてた?」
優しく微笑むのは昔、少女を突き飛ばし、助けてくれた
少年。
『………紅葉…』
一筋の涙が頬を伝った。
「本当に昔から泣き虫だな、己は」
クスリと笑いながらこっちに寄って来る紅葉。
「………我妻にならんか?」
一丁前の喋り方をしながら、桜羅に問いかける紅葉。
『………』
だが、そんな桜羅の頭には沖田の顔が浮かんだ。
「…そこまであやつが大切か?」
紅葉は悲しそうに眉を下げながら桜羅の涙を親指の腹で拭う。
「…だが、あやつを救う事も出来るのだぞ?」
その言葉に桜羅の心は大きく揺れた。
「我と結婚すれば、あやつの未来が開かれるかもしれんぞ?」
『………どういう事だ』
拳を握りながら鋭く問いかける。
「お前の命は永くはない。」
ズキン
そんな事、とっくの前に解っていた。
自分の身体は自分が1番解ってる。
『………知ってる』
「なら、話が早いな。
あやつの命も永くはない」
その言葉に槍で胸を突かれた様な衝撃を受ける。
「………だから、我と子孫を残せば、その治癒能力は残り、あやつの力にもなる」
どくどくと己の血が暴れまくる。
「契りを交わそう」
その言葉に、数分の静寂の後
頷いた。

