大好きな君へ




目的を変えた僕は暑い日差しに照らされながら彼女に付いていく


見つからないように、一定の距離を保ちながら


時には建物の影に隠れて
時には人に紛れて


そんなことをしなくても彼女の足取りは軽く、全く後ろを気にする様子はなかった


それはそれで何だか切ない


そう思いながらも用心のため、隠れながら付いていく


そんな怪しい行動をする僕を
気にするような人はいなかったから良かった


けれど動物は違った


前から歩いてくる野良犬


彼女の前は素通りしたくせに、僕を見ると威嚇するみたいに牙を見せた


怪しい僕の行動に
動物の第六感が働いたのか?



犬は僕に向かって大きく吠えついてきた