「B、私、時折、無性にあなたが羨ましくなるわ…」 「難しく考えるなって。奈々は私達のこと、AとBで区別できるんだから。そのうち名前だって覚えてくれるさ」 「ええ、そうね。私、沙羅が大好きよ」 「止せぃ、照れるじゃないか、真紀」 頭をかいて、照れたポーズをとる沙羅。 いつも別れる曲がり角のところで真紀は、ぴたりと足を止める。 「じゃあね、B江」 「またな、A子」 ニヤリと笑い合い、二人はそれぞれ歩きだす。