「……お前はそうやって俺に合わせてくれるだろ。」


うーん…
合わせる訳じゃないんだけど。


「好きなんだから当たり前。合わせるってより慣れだな!」
「……俺も好きだから優しくしたい。でも俺の優しさは伝わりづらいから、ちょっと裕真に合わせてみた。」



だから最近優しさが倍増に感じたのか。


和希はちょっとずつ変わろうとしている。

でも……



「なぁ、和希。気持ちは嬉しいけど、俺は今までの和希が好きだな。無表情で冷たくて、でも本当は誰よりも優しい和希が好きだよ。」
「…………。」
「だからさ無理に変わろうとか合わせようとかしなくていいよ。」



少し不器用な君が好き。



「………お前のそういう所に俺は惚れた。」
「何それ。それにさ、優しくなった和希がモテモテになったら、毎日ヤキモチ妬かなきゃならないだろ?」
「……バカか。俺が優しくしたいのはお前だけだ。」



和希は再び手を動かす。

その横顔を見ていたら、急に抱きつきたくなった。


でも手が汚れていたから、

ちゅっと和希の頬に口づけた。


「へへへ」
「……裕真、夜は覚悟しとけよ。」
「え!?う……ん」



聖なる夜に誓うのは、


――永遠の愛。