「ありがとう…」
「……ん。何すればいい?」
「じゃあ野菜切って」



うーん…
和希が優しい。
優しいすぎる…。

クリスマスだから?
これもプレゼントなのか?


でもなんか今日だけじゃないんだよな…。



「なぁ、和希」
「……ん?」
「なんで最近そんなに優しいわけ?」
「……おかしいか。」
「いや、なんか…どうしてかなって。らしくないじゃん?」



お互い作業する手を休めず、ちょっと沈黙があった。



「………俺は人より感情表現が苦手だ。」
「うん、知ってる。」



そんなこと、とうの昔から知っている。



「でも俺は和希の感情をちゃんと読めるよ。」


自慢じゃないけど、和希のちょっとした変化だって見逃さない。

例え無表情でも怒ってるとか、喜んでるとか、ちゃんと分かるんだ。



そこで初めて和希が俺の方を向いた。



俺も合わせて手を止める。