「……面倒くさい男だな、お前は。」



和希の手が俺の顎と肩を掴み、ぐるりと後ろを向かされる。



「…な、に」



ちゅっと唇が重なった。


それはとても優しくて、触れただけで離れていった。




「……何がそんなに不満なんだ?俺には分からない。」
「だって、だって……」
「誕生日なんてこれから何回あると思ってんだ?」



これから何回も………。


それは遠回しな、ずっと一緒の意味。