「同じ家賃でも、もっと広いところあると思うけど?」
「……必要な物は全部入ってるだろ。」



そりゃあね。
この部屋、物少ないし。



「そんなにここ好きなわけ?」
「………慣れ親しむぐらいには愛着あるな。」
「ふーん」



ソファーにベッド、普段つけられていないテレビ、無機質な白のテーブル。

本当、特徴のない部屋。




でも俺も、

何故だかここに愛着を感じている。



「ま、いっか!狭い方が和希とくっついてられるし!!」
「…………たまには良いこと言うな。」




俺の恋人が住むアパートには
不思議な魅力が漂っている。