そして今、俺は予定通り30分早く終わってしまったために時間を持て余している。

腹減ったー…
和希早く終わんねえかな。



各露店を横目で見ながら、和希と回る店に目星をつけていると、見覚えのあるシルエットが視界に入ってきた。




「一緒に回る相手もいないなんて、独り身は寂しいなぁ。」
「カッシーも人のこと言えないだろ」


遠くからでも目立つ金髪、ド派手なピアス、流行を取り入れたファッション………それらを身に付けたカッシーこと、柏木 大地が笑いながら話しかけてきた。



「俺は好きで一人でいるんだよ。だからいいの」
「そーですか。俺だって回る相手ぐらいいるよ。待ち合わせしてんだ。」
「へぇ……裕ちゃん、彼女いたっけ?」
「………いや、彼女……ではない。」



和希は恋人だけど、彼女じゃないよな……?



「なにその微妙な言い方。誰と回るんだよ?」
「和希だよ。ほら、俺とよく一緒にいる」
「ああ、水沢(ミズサワ)くんね。俺、彼苦手なんだよねぇ。」