「ヤキモチってやつ?」
「………バカか。」




和希は、それはもう凍えるような冷たい眼差しで俺を見た。




「そんなに照れなくて――」
「…………………」
「……すみませんでした。」



一瞬、鬼と目があったのかと思った。
そんなに怒ることじゃねーのにさ。



「つまんねーのー」
「…………で、メールは何だったんだ?」
「ん?ああ、えーと……え!?」
「…どうした?」



俺は携帯を手に、肩を震わせた。



「俺の好きなバンドのライブチケットが手には入ったから一緒に行かないかって!!」
「……あの趣味の悪いバンドか。」
「すっげー嬉しい!チケット完売しちゃってたから諦めてたんだよね。カッシー良い奴!」
「……お前行く気か?」


当然のように行く気だった俺は首を傾げた。


「そりゃせっかくだし……なんかダメだった?」