「なぁ、和希!どっか行こうよー?」
「………やだ。」



和希は読んでいた本を置き、俺のベッドに寝転がった。



「なんで!?」
「………面倒だろ。ここで充分だ。」


俺はベッドの傍らに座り込み、肘をついた。



「たまには、どっか行きたい!」
「………例えば?」
「うーん…映画とか!」
「…ありきたり。DVD借りて家で見た方がいい。」
「そうじゃなくて!大切なのは雰囲気だろ!」



和希は寝返りをうって、俺に背中を向けた。



「なぁなぁ、和希ー!」
「……………。」
「デートしよーぜ、デート!」