和希はそれはもう嫌そうな顔をした。



「え?だって和希がそう……」
「お前風邪移ったんじゃねーの?」



これは覚えてないパターンですか?



「あ!じゃあ、俺に何か返すだとか何だとかの話は…?」
「……何のことだよ?お前マジで大丈夫か?」



あー…
無理矢理にでも聞いとくんだった!!



「すっごい気になる!頼む、今すぐ思い出して!!」
「…無理に決まってんだろ。少し寝る。静かにしてろよ。」


それだけ言うと和希はベッドに潜り込んでしまった。

せっかく看病してやったのに……
本当冷たいよな。

もうちょっと熱出しててくれても良かったかも……。




――俺の恋人は、熱を出すと記憶をなくすらしい。