その日は春と夏の境目みたいな、生ぬるい風が柔らかく吹いてる日だった。 僕はというと、このつまんない緑だけが続く田舎の、舗装されていないデコボコの道を歩いていた。 中学三年生の僕は部活も終わり、しかも同級生の仲のいい友達とは家の方向が全く違うから。 放課後はこうやって1人で家に帰らなくてはいけない。 「あっちぃ…」 ネクタイを緩めてYシャツをパタパタさせる。でも汗ばんだ身体がすぐに涼しくなる訳じゃなかった。