「謝ってなんかほしくない!」
智子の声が体育館中に響いた。
「え…。」
「なんで謝るの?りんが悪いことをしたわけじゃないじゃん。うん、分かった、これから気をつけるねっていえばいいじゃん。いつもだよ、りんは!」
はじめて智子に言われた本音だった。
それでさえ、私はなにもいえずにただただ立っていた。
「智子、いまは練習中だよ。戻りな。」
キャプテンがそう言うと、智子は私の目をもう一度見て、
「…。」
なにもいわずに、涙をふいて走っていった。
「すいませんでした。」
キャプテンにそう言い、私も戻ろうとすると、キャプテンは困ったように笑って、
「少しだけ、話さない?」
そう言った。
