双子のジキルとハイドの攻撃を受け、皆はかなり負傷。
そんな中、重傷なカイトは俺を術で癒やした。
こうなったらこの白梅でやるしかない。
「ハイド、気をつけなさいよ?それと私の足を引っ張らないで」
「相変わらず酷いなぁ。それぐらい分かってるって!」
ジキルとハイドは華麗に身を動かす。
爆転、側転‥まるで体操選手のように。
俺は白梅を構え、二人を目で追う。
だが、早すぎて分からない。
しかし、今の俺なら大丈夫だ。
「白梅、ついて来いよ?」
持ち手をぎゅっと握り締め、何もないところに向かって一振りした。
予想は的中。
ジキルの腹部に一斬り出来たようだ。
二人の動き止まる。
「ジキル!!」
「これしきなんともないわよ!」
「だけどジキル‥お前‥」
「わ、私は王妃様の役に立ちたいの!!」
ハイドは心配してジキルに声を掛ける。
だが、様子が変だ。
ジキルはハイドを押しのけ、震える両手で銃を俺に向ける。
彼女にとって俺は、今すぐにでも殺したいだろうに。
けど、それは譲れない。
「俺は白雪を助けたいから。‥ごめん」
彼女は叫びながら引き金を引いた。