私は、俺は、

生まれた時から二人だった。

それも兵器という運命を与えられ、時を刻んだ。
ある日、告げられた事。
それは

“貴方たちは人形”


「エルビス!」

エルビスは黒桜の攻撃を正面から受けた。
俺は嫌な感覚が思い浮かび、彼に駆け寄る。
痛々しい、彼に触れれば手が染まった。

「エルビス!エルビス!」

呼んでも、叫んでも応えてくれない。
倒れ込んだまま、1ミリたりとも動かない。
その中、大きな声で高らかに笑う黒桜。

「ったく、私は他国の王子様に興味はないのよ」

「てめえ‥!!」

エルビスを馬鹿にした、許さない。俺は完全に理性が崩壊した。
彼から手を離し、白梅を強く握り締める。
黒桜の微笑むのが目に写る。

「そうよ!もっと私を楽しませるのよ‥!!」

「‥マズい、誰かあれを止めないと大変なことになりますよ」

「え、止めるって‥リュウのことかい?」

「見れば分かるでしょ」

黒桜は狂ったかのように両手を広げ、リュウの覚醒を受け入れた。
一方、彼は目の色を変えたように別人になっていた。
白梅と共に異様なオーラを漂わせ、辺りは殺気で囲まれていた。