ア オ ハ ル








「で、学年は?」

思い出してみれば拾った教科書は同じものだった。

「一緒かも」

「何?同じ学年なのに初めて見たの?」

「んー?どうなんだろ?他のクラスの人と交流がないからね」

「ふーん。何組の誰なんだろ?」



けど、同じ学年ってことは近い内また会えるんじゃないか……



「探す?」

ニヤッと笑う愛。

「いや、探さなくても同じ学年ならいつか会えると思う」

「意外と冷静なのねー」

「だってさ、そんな探して見つけた時なんてどう声かければいいかわからないじゃない!偶然に会った方が自然でいいと思うんだ」

愛は少し考えて笑った。

「そうだね。奈津は多分不自然な挙動不審ちゃんになっちゃうかも」

「そうそう…」





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