ア オ ハ ル








「それより…急がなくて平気?」

彼は腕時計を見てあたしを見た。

あたしも自分の腕時計を見て

「あぁ!あたしの無遅刻があ!」

思い出して慌てた。

「ほら!まだ急げば間に合うかも!」

彼はあたしの背中を軽く押した。

「あ、本当にすみませんでした!ありがとうございます!」

あたしはペコっと頭を下げてまた走り出した。





門をくぐった辺りであたしは振り返った。

「気をつけなよー」

彼は笑顔で手を振っていた。

あたしも手を振り返しまた前を向いて走り出した。




走っているからなのか
なんでなのか

ドキドキが止まらなかった……






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