「あーあ。 面倒くせぇ猫見つけちまった。 俺 猫嫌いなのに」
由良は立ち上がり、伸びをしながらこっちを振り返る。
「え?…猫? どこ?」
周りを探すけど猫なんかどこにもいなくて。
由良に視線を戻すと戯けたような顔をしてあたしを指差していた。
「お前じゃね?」
「…はぁあ? なんであたしが猫? 」
あたしは好きだけどさ、猫。
「猫っぽい。 実際ノラだし」
「…! なによそれ… 」
ノラとか言われたら正直言い返せない…!
ムスっとして缶に口を付けると、足元に置いてあったあたしの鞄を持ち上げた由良。
「しょうがねぇからついて来い」
「どこに?」
「俺の家」
「………えっ?」
由良の…家?
キョトンとするあたしに眉を寄せた由良は重い溜め息を吐き、
「拾ってやるって言ってんだよ」
そう言い放ち、背を向けて歩き始めた。

