「なぁ、やっぱお前頭…」
「それ以上言わないで」
「……けど、あり得ねぇだろ」
「……………」
「どうやっても考えつかねーよ」
由良とふたり、立ち尽くしているこの場所はあたしの家…
があるはずの土地の前。
そこにあるはずのものは何も無く、草の生えたただの更地だ。
学校から約徒歩15分の閑静な住宅街は、あたしの知っている場所ではなかった。
自分の家どころか両隣、そして向かいの家まで存在してなく、ただ近辺にポツポツと数棟の家があるだけ。
斜め向かいにはよく知る家が建っているけれど、人の気配を感じると元気よく吠えていた犬のマックスの声は聞こえない。
「あは……
なにこれもう…。 笑えてくるんだけど」
「……は? 笑えなくね?」
思ったより冷静だった。
もしかしたら。って思っていたから。
逆に由良の方がわけがわからないといった様子でさっきからソワソワしながらあたしと更地を交互にみつめている。 本当にここなのかと、何度も訊きながら。
さっきは学校で泣き崩れたりしちゃったけれど、ここまできたら意外にも吹っ切れるもんなんだね。
堪らずクスクスと笑っていると、横から由良に頭を軽くつつかれた。

