楓香side
名前を呼ばれて、気がつくと、私は横断歩道の真ん中にいた。
一瞬自分の見ている景色がスローモーションにみえた。
ブレーキのの音が聞こえて、黒の服をきた男の人が見えて、そしてなぜか空が見えた。
「おめぇ…、何してんだよ!!!死ぬ気か!?俺がいなかったら、死んでたぞ!?」
そう言われても私は呆然としているだけだった。
「ロン…」
目の前にいる懐かしい仲間に緊張の糸がきれ、私の目から大量の涙が溢れた。
「ロン!!っぅう……。っく」
私がColl Juvenileにいた時にいつも得意なギターを弾いて元気を貰っていた。
「ったく、しょうがねぇな…。とりあえず立て」
ロンは外れたサングラスを直すと私を立たせようとしたけど、
「ごめん、腰抜けたっぽい…」
足に力を入れても立てない…。
「はぁー。本当、世話のかかるやつだなぁ」
そう言って私をおんぶしてくれた。

