会場の前に到着すると、とりあえず愁に電話した。 3コール目で愁は電話に出た。 『もしもし』 「あっ!楓香だけど~」 『知ってる』 …はい。そうですよね~。 「一応着いたんだけど」 『控え室は4番だ』 「は~い」 電話を切ると、愁の言っていた4号室へ行った。 トントン…。 「どうぞ~。ってお前かいな!」 開いたドアの向こうには、何とも言えない表情の陽が立っていた。 「俺のファンの子かと思ったやろ~」 「ファンの子じゃなくてすいませんね」 私はそう言うと、さっさと控室に入った。