「いらっしゃい!」


中にはいると廉のお母さんが出迎えてくれた。


「おじゃまします」


私はお辞儀をして、挨拶をした。


毎度毎度のことだが、廉のお母さんを前にすると、ホッとした気持ちになる。


あまりにもきれいなんだから。優しいし。


「後で差し入れ持っていくわね」


「いつもありがとうございます」


私がお礼をいうと、


「いいのよ。頑張ってね」


と、優しそうな笑顔を浮かべた。


廉のお母さんがいなくなると、私ははぁー、とため息をついた。


「本当廉のお母さんって優しいよね…。女の憧れだわ」


「そぉかぁー?ありゃ、表の顔だぜー?」


私がうっとりしていると、廉が怪訝そうに首をかしげた。


私は優しくていい人だと思うんだけど、廉が言うには怒ると怖いんだって。