楓香side

時の流れは早くて、ライブ前日になった。


毎日のようにみんなと練習して、いろんな事を語って…。


Flashのみんなと一緒いることが、当たり前になっていた。


でも、時々思うんだ。


このライブがFlashのみんなとの最初で最後なのかなって。


約束は今回のライブだけってことになってるから。


もし、このライブが無事に終わったら、私はまたどこにでもいるような普通の女子高生になるんだ。


みんなは、私がいなくなったら、どう思うかな?


本番に近づくにつれ、そんなことばかりが頭を支配した。


学校でも次のFlashのライブで、私がボーカルをするという噂が広まっていた。


愛華っと唯と里実はこのこと知ってるし、音楽室で練習してたのを誰かに見られたんだろうな…。


今日は廉の家で最終確認。


「ついに明日だね〜」


廉の家に向かっている途中、遥くんが嬉しそうに言った。


「そうだね」


そんな、明日への会話をしていると、廉の家に着いた。