「ごめん…遅れたッ」


「遅れてないから、大丈夫だよ」


悠さんは、私に優しく言い、時計を指した。


約束の時間まで、まだ15分ほど時間があった。


「なんで、こんな早く…?」


「なんか、みんな早く集まっちゃたみたいで…」


遥くんはそう照れたように言った。


「現に、お前も早くきてるし」


愁が私を見て言った。


「たしかに」


「みんな集まった事だし、練習始めよっか」


悠さんが、みんなをまとめるようにいった。


「僕、生で楓香の歌聞くの初めてだ〜」


そう嬉しそうに言う遥くんを見て、心がポカポカした。