キーンコーンカーンコーン

「真菜ちゃーん」

「一緒に帰ろ!!」

私に話しかけて来たのは友達――――――の筈の、恭果と遙(はるか)。
小学校の時からの友達で、ずっと仲良し。
家が同じ方向だから、いつも一緒に帰ってるんだけど…

『…今日は、ちょっとゴメン』

私は風紀委員に入ってるんだけど、委員長が屋上で戦うらしく…。
終わってからサポートとか後始末をしてほしいらしい。
相手のカヴァッ……ロ?って人は部下がついてるらしいから、どうせ自分が居なくて悔しかったんだ。

「あ、分かったー。真菜ちゃんの大好きな委員長でしょ?」

――――そう。
私は委員長に憧れて風紀委員に入った。
“好き”って言うより、“尊敬”だけど。

『そゆこと。ごめん』

「いいよ別にー。また今度ねー」

「じゃねー。真菜ー!!」

『バイバーイ!』

パタパタ




じゃ、ウチも行くか。
予定より少し遅いし…委員長、怒ってるかなー…。



ピーンポーンパーンポーン


《ねぇ、早く来なよ真菜。どうなってもいいの?》

『はぁ?!』

職員の伝達と思われた放送は、明らかに委員長の声だった。
そして、私の名前が呼ばれた。
つまり、委員長→私への伝達。
校内放送使ってって………委員長ってホントに自由。
そして素晴らしい権力。

『今行きまーす!!!!』

誰も居なくなった教室で、一人叫ぶ。
放送室に聞こえているわけ無いけど、一応しよう。
どっちかというとクセだけど。
ワォ、条件反射って凄まじい、そして、クセって恐ろしい。
―――――――とにかく、荷物をまとめていざ屋上へ!!