「った、いでしょ
離して!」

体を捻り、
逃れようとするけど
男子の力にはやはり敵わない。

「はぁ? お前が先に
手ぇあげたろ」


私の訴えは虚しく
相坂の心ない言葉で
ピシャリと塞がれる。

確かにそうだけど、
何で?
いきなり言われないと
いけないわけ?


「まぁあれだよな
お前、今回のテストで
首席にならないと
特待生外れんだろ?
それだけですめばいいよなぁ
金なしの貧乏娘が
巨額の学費払えんの?」


卑しい笑顔だった。
悪意しか感じれない
そんな顔で、わざとらしく
言ってくる

顔が赤くなり
血が上るのが分かる


「はぁ!? お前何なの?
まじ何? いきなり何なの!」


もはや、言葉は纏まらなかった
混乱している。

何をいっているのか、
何をわめいているのか。

本当に分からない。

そんな私を相坂は
蔑むような目で
見下ろしていた。