「ぼーっとしてただけだよ。
何もないから」

緩やかにりっちゃんの言葉を
否定した。

教室のドアを開けて、
クラスメイトに挨拶をして
席につく。


りっちゃんが不満そうに
顔をしかめていたのは
言うまでもなく、
本心を言えないのが
心が痛む。


だけど、本当の事を言えば
何て言われるか。
それが怖いのも本心。

だからこそ親友でも
本当の理由は
言えない。

私が貧乏で、しかも今は家出して
お金がない状況で。
成績不振で学校にいれないかも
しれないなんて、