これ以上、傷をえぐりたくなかった。 りっちゃんは察したのか分からないけど 唇を噛み締めると無言で踵を返した。 ふわ、と淡い茶髪が揺れている。 細くて長い足で、どことなく悲しそうな帰っていく。 ごめんね、 小さく呟くと、多くなってきた人の波を掻き分けるようにして 学校を出た。 りっちゃんにはもう幻滅してほしくなかった。 皆みたいに蔑むような 恨むような目で 見てほしくなかった。 だから言えない。 ごめんね。 信用してないからとかじゃ ないんだよ。