「仮に、統合失調症だったとしたら、夜だけ起こるのはありえないことだと思わない?」


おばさんは、病名に驚いたのか、あたふたした様子だった。


「では、夜限定統合失調症ということで」


「夜限定って何よ!?」
徐々に、俺の対応に我慢出来なくなってきたらしく、わざわざ、この殺風景な村に来たのに、と付け足した。


「そりゃー、遥々なこった」

「あなた、こういうこと専門じゃないの」と顔がひきつってきたおばさんが聞いてくるが、俺には解決策もなにも、今にも沸騰しそうな、この女性の方が怖く見えてきた。

さらにおばさんは「もしかしてポルターガイストだったりして?」と質問してきた。


この言葉に、俺は少し震えた、怖いのではない、もっと違う意味で、だ。



「馬鹿らしい」
俺は一息いれていい放った。

とうとう、これがお客様の逆鱗に触れてはしまったらしい。

おばさんは地面を蹴るかのように立ち上がり、レオンに向かって「こんな事務所、潰れればいいのよ」と叫びつつ、ドアを開けて、事務所を出ていった。