目が覚めると、リビングのソファに寝かされていた。


「あ!」


リビングのえんじ色の天井が目に入り、璃子は飛び起きた。


ひとり掛けのソファに座っていた優真と目が合う。


「気分はどう?」


読んでいた分厚い本をパタンと閉じると璃子へ近づいてきた。


「す、すみません。血を見て倒れるなんてことなかったのに」


「喉は渇いている?」


「え? はい……」


優真はテーブルの上に置かれたピッチャーの水をグラスに注いで渡した。