「璃子ちゃん!」


優真は身体を支えると、ソファに座らせた。


「血が足りないんだよ。私の血を飲むんだ」


「嫌です」


目の前が暗くて視線が定まらないが、璃子は首を横に振る。


「辛抱強い子だね。君は」


優真は自分の手首に爪を立てると一気に滑らした。


途端に優真の血の匂いが璃子の鼻をくすぐる。


「優真さん……なにをしたんですか!?」


朦朧としながらも叫ぶ。