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ふたりが出て行ってから数秒で璃子は恐る恐る姿を現した。


白いバスローブ姿が恥ずかしいようで、ドアの前で優真に戸惑う視線を向ける。


血が足りないのだろう。


きれいに洗われた髪は残念ながら艶がない。


「璃子ちゃん、こっちへおいで」


ソファを示すと璃子はバスローブの前を気にしながら近づいてきた。


「どうして電気を点けないでいるんですか?」


部屋の中が暗い。


ヴァンパイアの彼らには不自由はないのだが。