「俺はもう行く」


尚哉が立ち上がった。


その表情は意を決したように厳しい顔つきになっていた。


尚哉は長と決着をつけに行くのだ。


今回のことに憤りを感じている優真も長と決着をつけたかった。


「私も行くよ」


尚哉は銀色の髪を揺らした。


「お前はここに残れ。長を倒すのにお前の力は借りない」


「だが!」


「長の地位に興味はなくなったが、あの老人がこの先も取り仕切るのは嫌でね。俺も心の隙間を埋めてくれる女を探そうと思う」