「私の言うことを聞いてくれるのですね?」


「香織、お前の言うことは聞けない」


こうしている間にも璃子ちゃんは……。


「あの子のことを考えているのね!?」


香織は一瞬優真の表情が優しくなったのを見逃さなかった。


「お兄様! 私だけを見て! このままではお兄様はボロボロになってしまうわ!」


香織は優真の手首に視線を移した。


真っ赤にただれ、一部から出血している。


「早く手錠を外すんだ」


「いやよ」


「香織!」


優真は声を荒げた。