「兄さんはむやみに人を殺さない……愛した人の娘だから同情したのもあるだろうけど、君がここに来てから兄さんはいつになく楽しそうだった。珍しいくらいに」


碧羽くんの言うことを信じたい。


でも……。


「君は兄さんを愛しているの? 違うでしょ? 自分の都合でここにいるんじゃないの?」


「違う! 私は優真さんが好き! 戦う気ってどういうこと? 優真さんはあのヴァンパイアの所へ行ったの?」


「そうだよ」


「……」


私の為に……私が信じるのは優真さんだけでいい……お母さんを愛していたかもしれないけれど、優真さんはお父さんを殺していない。